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02 TouchPoint Design ブランドと顧客の接点を設計する

タッチポイントを戦略的に構築すること

ブランドビジョンの達成は、顧客に様々な「機会」でユニークな「体験」を感じてもらい、それが顧客の中に経験として積み重ねられていくことで成し遂げられます。「どのような顧客にどのようなシーンでどのようなブランド体験を提供するのか」という機会の設計、つまりブランドと顧客の「接点」の戦略的構築。それがタッチポイントデザインです。
従来型のマーケティングミックスにおいて「マスプロダクト/スタティックプライシング/マスメディア・マス広告/販売チャネル網」という四つを前提に、顧客と製品・サービスの関係性を構築するという戦略を採用する場合、企業が直接コントロールできるタッチポイントは実はそれほど多くはありませんでした。顧客の生活に直接関わる家電メーカーや消費財メーカーでさえ、顧客とのダイレクトな接点をほとんど持っていないのが実状でした。顧客は、広告を見て、ネットで評判を調べ、量販店で触れてみて、ECサイトで購入し、物流業者の配送を受け取り、製品を使用するに至ってようやくブランドとダイレクトにコミュニケーションします。この従来型タッチポイントでは、せいぜい製品使用の機会だけがブランドと顧客の直接接点であり、それゆえ企業は「製品」といういわば唯一のUX(ユーザーエクスペリエンス)に注力していたのです。
しかし、いまや企業は、顧客とダイレクトにかつエモーショナルにコミュニケーションができます。体験設計という観点から、情報提供、店舗空間、接客、決済、配送など、すべてのタッチポイントを一貫したブランド戦略でダイレクトにコントロールする企業がいま競争力を高めています。
タッチポイントの設計は、これからの企業と顧客の関係性づくりにおいて、最も大きな戦略要素となるでしょう。

Scroll ブランディングデザインとタッチポイント

現状改善型から価値創出型のコミュニケーションへ

タッチポイントデザインでは、まずブランドビジョンにふさわしい理想のブランドターゲットを設定し、それを起点にペルソナを設定します。そのうえで想定されるペルソナの行動を網羅的に洗い出します。網羅的に洗い出された行動に紐付く感情をさらに洗い出し、顧客の感情の揺れが最も大きくなる重要機会を見いだします。
そして、重要機会を中心にしながら、もう一度あらためてブランドビジョン達成にふさわしい理想的な顧客接点を想定し追加します。既存顧客を想定した改善型の設計に留まらず、潜在顧客を想定した先見型の設計に挑戦的に取り組むことで、改善指向型のコミュニケーション設計から、0→1型のイノベーション志向のコミュニケーション設計を実現します。
タッチポイントデザインは必要に応じて、生涯接点の設計と、購買機会周辺接点の設計の二つの時間軸で行います。企業と顧客の関係性がより継続的で対等化する時代において、顧客と企業のライフタイムバリュー(LTV)の視点からブランドを構築することが重要だからです。
ゲットアップアンドデザインのタッチポイントデザインは、カスタマージャーニーマップの手法を活用して進めます。その際、クライアント企業の関係者を含めたワークショップを実施します。クライアント企業の関係者のみなさまと一緒に検討し議論することで、より一層企業への理解が高まり、ブランドビジョンのイメージが明確化するだけでなく、プロセスそのものがインナーブランディングに繫がっていきます。
ブランディングプロジェクトは、企業にそれまで蓄積されていた暗黙知が可視化され、企業の共有財産となることが期待される、いわば「企業の可能性の棚卸」機会とも捉えられます。クライアント企業の関係者一人ひとりに蓄積された経験を、新しいブランディングに活かすプロセスとしてワークショッププログラムなどを提供します。

ブランディングデザインとカスタマージャーニーマップ

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