Clients Interview

北海道美瑛町の特産品を厳選した
プレミアムブランドのグランドデザイン

丘のまち「美瑛」をよりプレミアムなブランドへ

2015年に丘のまちびえい活性化協会はプレミアムブランド開発のためロゴマークのデザインコンペを開催しました。美瑛町のブランディング事業において、美瑛町の特産品の中から厳選したものだけを扱うプレミアムブランドを立ち上げ、美瑛ブランドの普及とイメージの向上を図りたいと考えたのです。
美瑛町はそれまで「丘のまちびえい」をキャッチフレーズにブランディングを行ってきました。それは、風景写真家の故・前田真三氏の写真集が話題となり、丘の農業景観が美瑛の中心的価値であることを我々町民が再認識させられたことがきっかけとなっています。しかしながら、まだまだその知名度は十分ではないと認識していました。一方、美瑛町の観光スポットの一つ「青い池」が、2012年Apple社のMacBook Proの壁紙に採用されたことや多くのメディアに取り上げられたことで、現在では人気の観光スポットとなり、これまでの丘の農業景観とは異なるブランドイメージが生まれつつありました。
こうした状況をふまえ、美瑛町の中心的価値である「十勝岳連峰の雄大な自然と人の営みが織りなす美しい丘の農業景観」とそこから生みだされる特産品が北海道の中でも特に上質(新鮮・美味しい・ヘルシー・安心安全)であることをPRしていきたいと考えました。美瑛町独自の認定基準をもとに厳選した農畜産物、加工品、工芸品などの特産品をプレミアムブランドアイテムとして、美瑛町の道の駅、東京有楽町のアンテナショップ、美瑛町公式オンラインショップ、都内高級スーパーなどでPR、販売を行う計画を想定し、そのコンセプトとシンボルビジュアルのデザイン制作プロジェクトを開始しました。私たちの美瑛の中心的価値を表すロゴマークのデザインを募集し、美瑛町のブランドイメージに最もふさわしいデザインを採用したいと考えていました。

ブランディングデザイン_インタビュー_ビエイティフル03

大きな器としてのブランドコンセプトの重要性

私たちが考えるブランドイメージをしっかりと理解してもらえる会社と仕事がしたいと思いコンペを行った結果、アートアンドサイエンスの提案が一番素晴らしくパートナーとして契約することになりました。美瑛町のことを深く調べていただいた上でイメージを落とし込んでくれた「ビエイティフル」のロゴは、私たちが持つ美瑛のイメージとピッタリ合っていました。十勝岳連峰の雄大な自然と人の営みが織りなす美しい農業風景、そしてそこから生みだされる特産物が上質なものであることが、そのままロゴから伝わってくるようでした。ロゴデザインのコンペでありながら、「ビエイティフル」というネーミングの提案、さらにブランドのステイトメントの提案もとてもクオリティが高く、私たちのプロジェクトそのもののコンセプトがそこでしっかりと明確になった印象がありました。
北海道という土地から東京の会社に仕事をお願いするというのは、最初は少し不安がありました。行政的な考えに固定されるような組織では、まだ地元周辺の業者をパートナーとして選ぶのが一般的です。しかし、アートアンドサイエンスのみなさんはその距離を感じさせませんでした。デザイナーのみなさんは実際に美瑛にお越しいただいて、町の職員や副町長ともお会い頂きましたし、代表の岡村さんはプライベートを含めてその後も幾度も美瑛を訪れてくれ、とても良く美瑛のことを理解してくれていると感じます。
プロジェクトがその後も長く継続していること、そして、オリジナル商品の開発やラインナップの拡充がスムーズに行われていることの一つの成功要因は、初期段階でアートアンドサイエンスがブランドのコンセプトをしっかり明確化してくれたという功績が大きいと思います。「ビエイティフル」ブランドとは、具体的なプロダクトのことではなく、いわば独自の認定基準のことなのですから、いわば「大きな器」としての機能が重要。そのためにはブランドコアとなるメッセージがとても大切だったのです。

ブランディングデザイン_ロゴマニュアル

ブランド展開をリードしてくれるパートナー

ビエイティフルのプロジェクトではロゴマークとネーミングの開発に留まらず、その後のブランド展開もアートアンドサイエンスとパートナーシップを組んで進めています。
認定書やポスターといった運営に必要なツールから、パンフレットやWebサイトといったコンテンツとメディアの開発、「うつくしいトマトジュース」の商品開発のサポートまで、ブランドに総合的に関わっていただいています。さらに東京拠点という利点を活かして、T-SITE 代官山蔦屋書店でのプロモーションも企画・アレンジしていただきました。その時は東京を訪れた外国人観光客の注文を多くいただき、都心の高感度な実店舗ならではの情報収集ができたと思っています。
アートアンドサイエンスは単なるデザイン制作だけでなくブランドのコアになるコンセプトの立案から、商品開発の提案、プロモーション展開まで幅広くブランディングコミュニケーションを手掛けられます。最初期のロゴデザインの依頼の際には想定していませでしたが、アートアンドサイエンスのトータルなサポートによって、ビエイティフルというブランドが立ち上げからずっと一貫した価値観・世界観を保っていけているのだと思っています。地域ブランディングにおいて、末永く関係を構築できるパートナーとの出会いはとても重要です。アートアンドサイエンスとそれができたことは、私たちにとって幸運なことだったと思います。

ブランディングデザイン_クライアントインタビュービエイティフル04
  • Client

    ビエイティフル
    (北海道美瑛町)

  • Interview

    丘のまちびえい活性化協会
    小林孝司

    ※所属・肩書きは取材時点(2018年)の情報です

  • Business Type

    官公庁・団体

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