千葉・佐倉の空と風

(生活クラブ風の村)

商品開発段階から参画してブランドコンセプトを定義

生活協同組合の連合会である生活クラブ千葉を母体に地域に密着した福祉サービスを運営をしている生活クラブ風の村。生活クラブ風の村とんぼ舎さくらでは、障がい児者の日中活動支援や就労継続支援サービスを提供していますが、その一環としてオリジナル商品を開発・製造・販売するプロジェクトが立ち上がり、アートアンドサイエンスはその商品開発段階から参画し支援しました。
計画当初は「千葉の佐倉漬け」という仮のネーミングがありましたが、パッケージデザインの方向性と共にネーミングの再検討の必要性をご説明し、最終的に新提案したパッケージデザインと共に「千葉・佐倉の空と風」というネーミングが正式採用されました。パッケージデザインの目新しさと手触りある質感、そしてネーミングの斬新さを説いたのは、すでに多くの漬物商品が店頭に並び、多くの消費者が特定ブランドを習慣的に購買している中、「漬物商品を求めている消費者」とは別の消費者インサイトに響くコミュニケーション設計が必要であると考えたからです。「日々の食卓に、安心安全でありながらそれでいて “ちょっと気の利いた良いモノ” を求める消費者」の目にとまるトーンのデザインと言葉をつくりだし、パッケージそのものがプロモーションになるようなコミュニケーションを目指しました。
また、とんぼ舎さくらで活動する生産者のみなさんが、千葉・佐倉の心地良い環境でより一層自由に羽ばたけるようにという願いを込めたデザインは、このプロジェクトの立ち上げ意義そのものをアイデンティティとする強いメッセージの現れでもあります。

地域ブランドとしてプロモーションするための仕組み

ネーミング、パッケージデザイン、Webサイト制作などの他、SNSアカウントの立ち上げと運営も行いました。そして、このプロジェクトを漬物の新商品プロモーションという枠組みに留まらせず、佐倉市全域のポテンシャルを最大化させつつ、さらに十二分に活用する地域ブランディングプロジェクトとして企画していきました。
新商品の漬物は佐倉地域での生産にこだわった農作物が原材料として利用されていました。また佐倉地域は歴史的に米、茶、味噌の生産が盛んであり、新商品の漬物と合わせると極めて日本の原風景的な「食」の世界観を構成することができました。加えて、母体である生活協同組合の販売チャネルを通じて消費者に届けられることなどを踏まえると、「佐倉地域」そのものの価値をどう伝えるか、という使命と可能性を背負っていることに気付いたのです。
そこでアートアンドサイエンスは、新たに「佐倉のごはん」というコンセプトを開発しステイトメントとロゴマークをデザインしました。ロゴマークは確かな品質と一定の認定基準に達する佐倉地域の商品や生産物に無償で提供する仕組みとし、「千葉・佐倉の空と風」はその「佐倉のごはん」ムーブメントを代表する中心的な商品として位置づけることになりました。
地域ブランディングは、そのニーズからも「地域」という大きな枠組みから戦略立案を行うことが通常ですが、このように、いち商品のファクトに根ざしたボトムアップ型のプランニングも可能であることを本プロジェクトが示しています。

Project Type

地域ブランディング

Lead a project

岡村忠征
岡村忠征
Creative Director

ブランディングデザイン|ファミリーフォント・フォントレギュレーション

地域ブランディング|商品パッケージデザイン

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地域ブランディング|コンセプトイメージ

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