Clients Interview

「デザインで社員のモチベーションがあがる」
ブランディングの手応えを強く感じています

「広報誌」を超越したあまりに重要なブランディングメディア

私たち太陽油化は、廃油の回収、処理、リサイクル、製品の販売を自社工場で行っている都内23区で唯一の会社です。産業廃棄物を取り扱う企業として、従来から社内外のコミュニケーションを重視しておりました。その一環として社外広報誌を毎年発行しているのですが、回を重ねるにつれてコンセプトがズレてきてしまい制作に悩んでいました。
例年の編集会議では、すぐにまず見た目としてのデザインの打ち合わせが始まるのですが、アートアンドサイエンスと初めて打ち合わせをした時は、いわゆる「見た目としてのデザイン」についてはまったく触れず、ひたすら「誰に」「どうなってもらう」ためのツールなのかを掘り下げてディスカッションすることになりました。これには驚きましたが、その2点をしつこくディスカッションすることで、企業のPRや広報の意義を感じるようになりました。何を意識して制作するべきか、企業のビジョンをどうアピールしたらいいのか、誰にどうなってもらうのか、というコミュニケーションの骨格を考えることの大切さを教えていただき、ぜひパートナーになっていただきたいとお願いしました。
できあがった広報誌はもはや広報誌の枠組みを超えています。採用の企業説明会や新規営業にも使用しますし、なにより社員からの反響がとても大きいのでインナーブランディングツールとして最も有効活用しています。社員は毎年マガジンができあがると真っ先に自宅に持ち帰っています。家族が喜ぶという声も多く、社員のモチベーション向上になくてはならないツールとして全社的に認識されています。

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ブランディングデザインのインパクトと成果をリアルに実感

「東京バクテリアラボ」プロジェクトは、最初はここまでトータルにオーガナイズされたプロジェクトではありませんでした。アートアンドサイエンスとの打ち合わせ時点では、展示会にエントリーする二つの新製品のラベルデザインについて相談したいというものだったのです。
その打ち合わせでアートアンドサイエンスから指摘を受けたのは、「バクテリアを活用した新製品の品質が高いことは分かったが、それだけではおそらく誰も注目してくれることはないだろう」という厳しい意見。そして、「そもそも太陽油化の取り組みは、農作物の育成促進に役立つとか腐敗物の悪臭を断つとか、そういった機能レベルを超える意義があるのではないか」という、私たち自身もはっとするような提言でした。
汚泥処理事業でバクテリアと向き合ってきた私たち。研究はしてきていたものの、そのチームに名称は今までありませんでした。アートアンドサイエンスはそこに「東京バクテリアラボ」という名称を与えてくれました。また、「太陽油化が行っているのは、東京の汚泥で東京を素敵にすることなのだ」という自分たちでも気付いていなかった大きな意義も認識させてくれました。シンボリックな名称とデザイン、そして強いストーリーが生まれたことで、私たちにも、このプロジェクトは「ブランドのデザインなのだ」という意識が生まれました。
実際の展示会ですが、蓋を開けてみたらブースを訪れる人が今までの3倍以上に増加。過去最高の来場者数という結果になりました。会期終了の翌日にはすでに注文が入るなど、ものすごい反響。「これがデザインの力なのか!」と社内の誰もが成果を目の当たりにして驚きました。
「東京バクテリアラボ」は、今後も社内の研究チーム名として継続していくことが決まっており、これはこれからの太陽油化を支える柱になると確信しています。本当にすばらしいアイデアと成果物をありがとうございました。

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グループ企業スローガンを策定。インナーブランディングプロジェクトは続く

太陽油化を中心としたソルテラグループは、グループ全体で様々な企業を擁しています。業界団体の理事なども務め、業界をリードする存在として社員も事業も増加拡大している状況です。そのような企業の成長フェーズにあって、いま一度グループ全体の結束を高め、社員一人ひとりのあるべき姿を明確にするべきだという認識があることを私たちアートアンドサイエンスは経営陣からお聞きしました。
イベント開催や冊子制作という企画提案も可能ではありましたが、やはり企業理念に基づいたバリューを社員一人ひとりが理解し、確かな拠り所として認識するためにはまずなにより “言語化” が必要ではないかと提案しました。
そこで、グループ全体が同じ方向を目指していけるよう、企業スローガンとコミュニケーションマークの策定を行いました。『身の回り、地域社会、日本、世界、そして地球。こうしたさまざまな環境を良くすることで、人々が「快適」な暮らしを送れるよう力を尽くす企業』というブランドステイトメントとともに、『快適のために、あの手この手』という企業スローガンとシンプルなデザインのコミュニケーションマークを開発しました。
働き方改革やソーシャルグッドという価値観の変化を受けて、企業と社員一人ひとりが社会における存在意義を見つめ直し再定義するという取り組みの重要性が増しています。社会においてこうありたいという視点、企業の原点、社会との接点を明確にし、企業も人も真の意味で仕事に前向きになること。これからの企業マネジメントにおいて “言語化” というデザインが果たすべき役割はとても大きいとアートアンドサイエンスは考えています。

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  • Client

    太陽油化(ソルテラホールディングス)

  • Interview

    荒木幸人 櫻井麗華 北館 圭

    ※所属・肩書きは取材時点(2018年)の情報です

  • Business Type

    サービス・インフラ

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