METHOD 03
BtoB企業のブランディングデザイン
オウンドメディア中心のブランディング
2026.04.03
言葉とデザインを企業の競争力にする
日々の業務の中で「ブランディング」という言葉の曖昧さに悩まされることはないでしょうか。ブランディングという言葉は極めて抽象的なビッグワードであり、立場によって「企業理念を作ること」「見た目を統一すること」「広告を打つこと」など捉え方がバラバラになりがちな「ビッグワード」です。そこで私たちは、複雑になりがちなブランディングプロジェクトを、明確に3つのフェーズに分けてご提案しています。
1.ビジョン策定とロゴ・VIデザイン(ビジョンとコアデザイン)
2.ブランディングコミュニケーションの統一(メッセージとビジュアルの統一)
3.ブランドプロモーション(ブランドの認知と定着)
ゲットアップ&デザインがブランディングプロジェクトを明確に3つのフェーズに分ける具体的なメリットは、「曖昧な概念を整理し、順序立てて確実なブランド構築を実行できること」にあります。
3つのフェーズに分けることで、それぞれ以下のような具体的な効果を生み出します。
1.ビジョン策定とロゴ・VIデザイン(コアを固める)
いきなりデザインや広告制作に着手するのではなく、トップインタビューやチームでのワークショップを通じて、自社の「なりたい理想」や「提供価値(機能的・情緒的・社会的価値)」を徹底的に言語化・可視化します。
メリット: 経営層と現場の認識のズレを解消し、プロジェクトの土台となるブレないブランドの「核(コア)」を、社内でしっかりと合意形成できる点にあります。
2.ブランディングコミュニケーションの統一(一貫性を持たせる)
ブランドの核が定まった後、「誰が言うか(ブランドアイデンティティ)」「何を言うか(ブランドインテグリティ)」「どう言うか(ブランドイメージ)」を整理し、トリプルトライアングルと呼ばれる9つの要素でコミュニケーションを設計します。
メリット: 企業からのメッセージ(ステイトメント)や、ロゴ・配色・写真のトーンなどのガイドラインを規定することで、あらゆる顧客接点において一貫したブランド体験を提供できるようになり、顧客に迷いや違和感を与えません。
3.ブランドプロモーション(認知とイメージを向上させる)
一貫したブランド基盤が整った上で、初めてカスタマージャーニーマップに基づき、WebサイトやSNS、広告、ウェビナーなどのメディア戦略を実行します。
メリット: 顧客の感情や行動の変化(態度変容)に寄り添った効果的なプロモーションが可能になります。さらに、施策の前後で「認知率」や「興味関心率」といったブランド力を調査・分析することで、単なるやりっ放しではなく、中長期的な改善(PDCA)を回すことができます。
このように3つに分けることで、「ロゴだけ作って社内に浸透しない」「広告(箱)だけ打って中身のメッセージがバラバラ」といったよくある失敗を防ぎ、確実かつ戦略的に「他社には代替できないブランド価値」を育てていけるのが最大のメリットです。
企業の価値をブランド化して伝える手法と実践
ブランドコミュニケーションを効果的に機能させるためには、まずブランドの「コア」を固める必要があります。ブランドコミュニケーションは、「誰が言うか(Who Say)」「何を言うか(What to Say)」「どう言うか(How Say)」の掛け合わせで成り立ちます。 当社では、企業のビジョンを策定するために、トップインタビューや社内チームでのワークショップを実施し、理想の未来から逆算する「バックキャスティングモデル(ロジックモデル)」を作成します。企業活動の起点となる「ブランドのコア(探求テーマ)」を明確にし、顧客と共創するためのブランドビジョンを導き出します。顧客不在のコーポレートビジョンでは、新たな事業や価値は生まれないからです。
■まずはオウンドメディア中心のブランディングを
企業のコミュニケーションにおいて広告展開は重要ですが、広告を打つ前に、その受け皿となるオウンドメディア(Webサイト、映像・動画、会社案内・採用パンフレットなど)のメッセージやデザインが一貫していることが不可欠です。 当社は、顧客の行動や感情を時間軸で捉える「カスタマージャーニーマップ」を作成し、認知から購買、ロイヤルティ形成に至るまでのあらゆるタッチポイント(顧客接点)を戦略的に設計します。広告という一過性の接点だけでなく、オウンドメディアを中心としたあらゆる顧客体験において、企業の価値や意志を徹底させ、一貫したメッセージとして伝えることで、他社には代替できない本質的なブランド価値が生まれるのです。
オウンドメディアをブランドの「核」にする主要なメリットには以下の4つが挙げられます。
1. 一貫したメッセージによる「ブランド価値」の資産化
一過性の接点だけでなく、Webサイトや会社案内などのオウンドメディアをブランド体験の基盤とすることで、顧客と接するあらゆる体験に企業の価値や意志を徹底させることができます。これにより、一貫したメッセージが伝わり、顧客から「他の企業では代替できない」と思われる本質的なブランド価値が蓄積されていくメリットがあります。
2. 多様化した顧客との「共創」を生み出す起点になる
現代の成熟し多様化した市場では、ターゲット顧客の特定は容易ではありません。この状況でブレイクスルーを起こす鍵は「顧客との共創」であり、共創はまさにオウンドメディアなどの顧客とのタッチポイントから生まれます。オウンドメディアを核にすることは、多様な顧客を惹きつけるための「主体的な企業」としての場を築くことにつながります。
3.顧客の「態度変容」を促す戦略的なジャーニー設計が可能になる
オウンドメディアを中心とすることで、顧客の行動や感情の変化を時間軸で捉える「カスタマージャーニーマップ」に基づいた、戦略的なメディアやタッチポイントの設計が可能になります。ブランドコンセプトや一貫したストーリーを伝えるための最適な動線を敷くことで、顧客の認知から興味関心、そしてロイヤルティ向上への態度変容を効果的に促すことができます。
4.データ分析に基づく継続的な効果検証と改善ができる
Webサイトをはじめとするオウンドメディア施策は、KPIを定めてデータを分析することが可能です。広告を打ち出して終わりにするのではなく、効果検証と継続的な改善のサイクル(PDCA)を回すことで、コミュニケーションの成果やブランドの価値を中長期的に高めていくことができます。
ブランディングにおける「組織間の認識のズレ」を解決する
企業の理想やブランドの価値について、経営層と現場、あるいは部門間の目線を合わせ、社内に浸透させていく体系的なプロセスが有効です。
ゲットアップ&デザイン社の手法では、具体的に以下のようなステップで認識のズレを解消し、合意形成を図ります。
1.トップインタビューとチームワークショップによる可視化
まずはトップやマネージャーへのインタビューを実施し、ブランドの提供価値(機能的・情緒的・社会的価値)や、「なりたい理想」と「現実の姿」、それを阻む障壁などを可視化します。その後、社内チームでのワークショップを実施し、最終的な受益者を主語にして理想の姿から逆算する「バックキャスティングモデル(ロジックモデル)」を作成します。
2.トップとチームの考えの摺り合わせ
作成したバックキャスティングモデルを踏まえ、トップインタビューと同じフレームでチームでも自己分析とディスカッションを行います。トップの考えとチームの考えの摺り合わせを行い、双方が納得する形で方向性を確定させます。ここで「ブランディングのタスクシート」等を用いて課題を洗い出すことで、プロジェクトのスコープを明確にします。
3.社内プレゼンテーションによる目線合わせ
策定されたビジョン/ミッション/バリューやブランドステイトメント、新しいロゴなどを社内に向けてプレゼンテーションします。この場で、これまでの取り組みの経緯や新たに発見された課題なども共有することで、社内の目線を合わせ、新しいブランドコンセプトに対するモチベーションの向上と一体感の醸成を図ります。
4.継続的な浸透施策(インナーブランディング)の実行
一度の発表で終わらせるのではなく、ブランドのより深い理解を促すためのミーティングセッションツアーやワークショップを企画します。ブランディングチームだけでなく様々な社内スタッフに参加してもらい、ブランドコンセプトを伝導していくことで、組織全体の認識を統一していきます。
このように、「課題の洗い出し」→「トップと現場の摺り合わせ」→「経緯を含めた社内共有」→「全社的なワークショップによる浸透」という手順を踏むことで、抽象的になりがちな「ブランディング」に対する組織間の認識のズレを解消することが可能です。
言葉とデザインで、まずはブランドのコアを導き出す
BtoB 企業は、高い技術力や社会的意義を持ち、実はとても面白い存在です。しかし、実際の企業コミュニケーションにおいては、どうしてもスペックや情報の説明ばかりになってしまい、その面白さが十分に伝わっていないことが少なくありません。私たちは、その企業の価値や思想を「言葉とデザインで伝わる物語にする」ブランディングデザイン会社です。ブランドを企業の駆動力にすること。言葉とデザインを企業の競争力にすること。戦略のないデザインも、デザインのない戦略も空虚です。 企業の真の価値を引き出し、一貫性のある言葉とデザインでブランドの基盤を築くこと。ゲットアップ&デザインは、まずはブランドのコアを固めるフェーズのお手伝いをするプロフェッショナルとして、BtoB企業の皆様のコミュニケーション課題に向き合い、共に未来の価値を創り上げていきます。
(一般社団法人 日本BtoB広告協会が発行する機関誌「BtoBコミュニケーション」2026年4月号に掲載された記事を一部修正して転載)